昨年末から体育・スポーツ指導での「体罰」問題がメディアや学会等で取り上げられています。文部科学省では、学識経験者等の協力を得て、去る5月27日に「運動部活動の在り方に関する調査研究報告書~一人一人の生徒が輝く運動部活動を目指して~」(運動部活動の在り方に関する調査研究協力者会議)を取りまとめ、運動部活動での指導のガイドラインを示しました。また、「スポーツ指導者の資質能力向上のための有識者会議」を設置して5回の会議を開き、6月28日に報告書をまとめています。日本体育協会でも公認スポーツ指導者倫理ガイドラインを作成中です。
本学会の本部にあたる一般社団法人日本体育学会では、平成元年の第40回大会において、「スポーツ・体育における攻撃性と暴力行為」と題した特別シンポジウムを開催し、「体罰教師」を問題視する姿勢を示してまいりましたが、今なお一部の体育・スポーツ指導現場において体罰が横行しているという憂えるべき現実を直視し、今年1月31日に理事会による緊急声明を発表いたしました。
一般社団法人日本体育学会の地域として最も多くの会員数(1600名余)を有し、40回に及ぶ学会大会を開催してきた東京体育学会におきましても、運動部における体罰根絶を訴えるこの緊急声明を支持いたしますとともに、学術研究団体として、体育・スポーツに関する科学的知見を蓄積し、体罰ではなく科学的理論に基づいて体育・スポーツの指導を行うことの大切さを訴えていくことを、ここに表明いたします。
平成25年6月21日 東京体育学会理事会
会 長 角田 直也
理事長 沢井 史穂
(理事一同)